2人が本棚に入れています
本棚に追加
よくベランダ越しに相談をしていたけど、今になっては恥ずかしいものばかりだったかな。
あと私の料理の味見もしてくれた。
光平は私より作れる料理は少なかったけど、料理の質は私より上だったのが悔しかった。
いつの間にか光平に食べてもらう為に料理を作っていた。
高校受験の時期には受験勉強を見てもらったりもしたっけ。
もっと上の学校に行けたのにも関わらず私の為と言って一緒の高校を受験してくれた。
彼がそんな性格なのはわかっているのになぜか罪悪感にかられて仕方がなった。
高校に上がると身体の調子が徐々に悪くなってよく学校を休むようになった。
そんな時も光平は私を気遣ってくれて、よくご飯を作ってくれた。
「大したことはしてないよ」と言ってくれたけど、私のせいで時間が削られることに、自分がイヤでしょうがなかった。
同級生や後輩から彼に彼女がいないか聞かれたこともあったし、私より彼女を優先させたいはずなのに、私に付きっきりだった。
「幼なじみだから当然だろ」とそんな光平の言葉が暖かかった。
だから彼がアメリカの大学に行くと聞いた時は驚いた。
その時は彼が部屋に戻ってからベッドの中で泣いたりもした。
そして、彼はアメリカへ旅だった。
それから私の体調は入院しなければいけない程悪くなっていた。
両親や彼の両親や友達に彼に伝えないでほしいと口止めをした。
そうしないと彼は私のことを心配して帰ってきてしまうから。
それから半年が過ぎても私の体調は一向に良くはならなかった。
むしろもう長くないことは自分でもわかっていた。
だから彼に…光平に手紙を書こうと思った。
手紙をママに託した私は次の日、永い眠りについた。
そして今、私の幼ななじみは私のお墓の前で泣いています。
最初のコメントを投稿しよう!