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「この手紙を読んでいる光平はもうお医者さんかな。
光平のことだから、白衣なんて似合わないんだろうな。
まさか挫折なんてしてないよね?
してたら呪うからね!
なんて、光平は頭良いから大丈夫だよね。
それから光平がアメリカに行ってから今日までの1年ちょっと黙っていてごめんなさい。
黙ってないと光平、戻って来ちゃうからさ。
それだけは絶対にイヤだから。
私のせいで光平の夢、壊したくないから。
光平は忘れてるかもしれないけど、子供のころに約束したの覚えてる?
最初に私の身体を治す為にお医者さんになるって言ってくれたよね。
私、すごく嬉しかった。
保育園で守ってくれた時、小さいながら好きになってしまいました。
その時は子供だったし、恋愛感情とは違ったかもしれないけど、ずっと一緒に居たいとは思っていました。
中学に上がりそれが恋愛感情に変わっていった。
光平は鈍感だから私が好きだったってこと知らなかったでしょう?
高校入試で同じ学校を受験してくれた時は嬉しかったけど、その分悔しくもあった。
光平は私の為だって言ってくれたけど、その優しさが私には痛かった。
光平ならもっと上の学校にも受験できたはずなのにもったいないって先生も言ってたよ。
ご飯の時だって光平に負けたくなかったから一生懸命勉強したんだからね!
光平のご飯が食べれなくなるのは寂しいけど身体がもう限界のようです。
いっぱい書きたいこと、話しておきたいことあるはずなのに、もう時間もないみたい。
最後に小学校・中学校・高校の12年、保育園も入れると13年間かな、いつも一緒に居てくれてありがとう。
頑張ってお医者さんになって私みたいな病気の人を一人でも多く助けてあげてください。
最愛の幼なじみの橘光平様
20XX.6.18
神埼光希」
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