第一章 ー王様ー

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砂浜が広がる海岸から見れば 左右へ見渡す限り広がる緑がある。 村の中心から見れば、入口の向こうには この世界は海でできているかのように 続く海原が広がっている。 そんな自然に囲まれた島 ーピュシスー いつからかは知らないがそう 名付けられている島に住んでいる。 俺には幼い頃の記憶がない。 だがたいしてそんなこと気にしては いなかった。 だから父さんにも、母さんにも もちろん一言でさえ聞いたことがない。 幼い頃なんて、興味がないからな。 人より記憶が薄れていくのが早いか、 はたまた幼い頃に何かあったのか…。 とにかく"今の俺"には関係なかった。
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