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"どうなされた?白癒魔士様?"
村人たちが去ってからもずっと彼女の
隣にいた老婆が白癒魔士の視線の先へと
振り返った。
「あ、いえ…。なんでもありません。」
白癒魔士は慌てて視線を反らし
老婆を見て微笑んだ。
"あぁ…あの男児、ろくにルクス様に知識を与えてもらおうとせず…あんな奴なぞ、放っておきなされ。"
老婆はわざと俺に聞こえる声でそう
叫んだ。
母さんは老婆の言葉を聞き、俺をかばう
ようにして家へ連れて入った。
「そんなことを言ってはいけませんよ…。同じ魂を持つ、ラクティア様の民なのですから…」
白癒魔士は切なそうな顔でそう呟いた。
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