第一章 ー王様ー

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"どうなされた?白癒魔士様?" 村人たちが去ってからもずっと彼女の 隣にいた老婆が白癒魔士の視線の先へと 振り返った。 「あ、いえ…。なんでもありません。」 白癒魔士は慌てて視線を反らし 老婆を見て微笑んだ。 "あぁ…あの男児、ろくにルクス様に知識を与えてもらおうとせず…あんな奴なぞ、放っておきなされ。" 老婆はわざと俺に聞こえる声でそう 叫んだ。 母さんは老婆の言葉を聞き、俺をかばう ようにして家へ連れて入った。 「そんなことを言ってはいけませんよ…。同じ魂を持つ、ラクティア様の民なのですから…」 白癒魔士は切なそうな顔でそう呟いた。
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