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時間が進んでいく残り時間が20分を切った。
「…だー、遅い!!
まだかよ!さっさと外せよ!
こんなことをしても意味が無いだろ!」
「マジうざい!
もう腰が死ぬ!
ホント、ホント!
ホント外してよこれ!」
俺の正面の相手と女子高生は完全に痺れを切らしている。
《…早く外れて欲しいのは確かだ。
窮屈だし、動くのは肘から先とつま先と首だ。
…でも外れたら外れたで、俺は目を付けられているし。》
俺はなるべく正面の相手を目を合わせぬように下を見ていた。
俺みたいに下を向いているのは
柏崎さんと絵を描いていた女性だ。
どうやら二人もそんなに騒ぐのは嫌いのようだ。
それに比べて勉強した人と宏さんは落ち着いてる。
時々、不気味に笑ったり、手先が動いたり。
何だか勝利の算段を立てているようだ。
すると高瀬さんが口を開いた。
「…ねぇ…TVさん。」
「はいなんでしょう?」
「お手洗いに行きたいんだけど…。」
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