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青い空にいくつもの雲が浮かんでいた。
太陽は雲の隙間から顔を出して小さな街を照らしていた。
そんな街を一人、走る少年がいた。
その少年は帽子を被っていて目が見えない。
着ているロングコートは灰色で髪の毛は黒。
黒いブーツを履いていた。
そんな少年は一人の男性とぶつかり、倒れそうになる。
「っ! 危ないぞ、リューク」
「ご、ごめんなさい! おじさん」
少年は帽子を上に上げてマフラーを下に少し下げた。
そして相手の顔を見る。
少年の青く深い瞳は男性の瞳を覗いていた。
「今日も可愛い娘の所に行くのか?」
「そうだよ。別に恋人とか、勘違いしないでね。幼なじみなんだ」
「へぇー。そうかい。あの可愛い娘がお前みたいな男を彼氏にしないよな」
少年は酷いことを言われても小さく頷いて、逃げるように走り出した。
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