第一章 幼なじみの二人

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「じゃあ、おじさん」 男性の返事も聞かないで少年は街から森へと姿を消す。 森の中を走りながらも少年は思っていた。 (そうだ。僕みたいな弱虫でヘタレがあの子の彼氏なんて、なったらいけないんだ) そう思いながら倒れている木を飛び越え走って行く。 汗を流しながら少年は一つの家の前で止まった。 体が熱くなりロングコートを脱ぐ。 そして、扉をノックしようとした少年に声がかけられた。 「おはよう、リューク」 「何で君が外に出てるんだ?」 少年は後ろを振り向いてそう呟いた。 後ろには、肩まである綺麗な金髪の少女がいた。 少女は瞳が綺麗な水色で白いワンピースを着ている。 ブーツは茶色で紐のリボンがついていた。 「えへへ。今日はちょっと元気なの」 「だからって、休まないと駄目だよ」 「はーい! ヒーローさん」 「っ! だ、だから僕はヒーローなんかじゃないって!」 必死に言う少年を見て少女は目を細めた。 少年はその仕草を見て何も言えなくなる。
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