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とりあえず、みんなが注目するので気まずい状況ながら立ち上がる。
「えっと……、ここでいいんですか?」
自分としては、前に出ての挨拶は好きじゃない。
大迫先生は俺の質問にちょっとの間も置かずに即答した。
「せやね」
一瞬、クラスの空気が「ん?」となる。
俺もほんの一瞬固まったが、あぁ、なんだ関西弁か。
「えーっ、八広 工作です。よろしくお願いします」
「八広か。はい、みんな拍手~」
パチパチと適当すぎる拍手がちらほら。大丈夫かよこのクラス。
一応、県内で二番目に倍率高かったんだし、それなりに真面目でエリートなハズ。
よく覚えてないが、たしか三倍以上だったような……。
まぁ半分は推薦だとしても、そんな苛酷な受験戦争を生き抜いた猛者たちだ。
きっと中学校だって真面目に勉強していたに違いない。
そうか……、こいつらはすでにお互いライバル視しているんだ。
ライバルには拍手なんてしない……っ!
俺はどうやら、とんでもないクラスに入ってしまったようだ。
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