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「んじゃあ、次が最後やね。」
やっと最後の一人かぁ。
最初の方は友達作るためにも真剣に聞いていたけど5、6人で飽きてしまったしな。
40人は多すぎ。
前の席のやつなんて寝てるし。
『学校生活において友達がいないことは死を意味する』
って姉貴が言ってたけど大袈裟だよなぁ。
「い、市原結城(イチハラ ユウキ)です。よろ、よろしくお願いしますっ」
お、自己紹介始まったみたいだな。
最後の一人だし真面目に見るか。
というか、こいつ噛みすぎだな。
緊張しすぎだろ。
「ふおぉっ!!?」
うわっ。 ビックリした。
いきなり前の席のやつが叫ぶだしたのだ。
さっきまで寝てたのに。
怖い夢でもみたか?
「おい。いきなり叫ぶな。自己紹介の最中だぞ」
「あ、わり。ってそんなことよりあの娘をちゃんと見ろよ」
馴れ馴れしいなこいつ。
使徒が襲撃して来たら生き残れないタイプだな。
「あの子って……………自己紹介してるやつか?」
「そうっ。その娘!」
「見たけど…………どうかしたのか?」
「どうかしたかって………………めちゃくちゃカワイイじゃねぇか!」
「いやぁ、あそこまでくると芸術の域に入るな。神の創った芸術だよっ。まさに生命の神秘!」
こいつ、盛り上がりすぎじゃないか?
確かに市原……だっけ? あいつはカワイイけど。
決定的に問題な所がある。
「お前ひとつ忘れてないか?」
「忘れる? 何を?」
こいつ、やっぱり気づいてないのか…………
「このクラスに女はいない」
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