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「……――いいかもしんない」
は?
今、なんと仰いましたか。
「まさかとは思うが、男……だぞ」
恐る恐る尋ねてみた俺に鼻息を荒く、興奮した口調で語りだした。
「イヤ、最近あるじゃん。性別を超えた愛って、今まではへぇ~ぐらいしか思ってなかったけどあんな娘みたらそういう気持ちになっちった。えへ」
(b^ー°)みたいに片目つぶってウィンクしなくてもいいよ。わかったからお前の気持ちはどうでもいい。と思うが口には出さない。
入学そうそう余計な角はたたせたくない。
しかし、大変なやつと知り合ってしまった。
確か三年間同じクラスだって案内には書いてたような気がする。
はぁ、思ってた高校生活と違う。
まぁ、確かに市原はそこらの女子より可愛い。目の前のバカみたいにそっちの世界へ踏み外しそうな連中はこれからも増えるだろうな。
これから男子だらけの教室で大変な思いをするぞ。がんばれ市原。
と、そんなことを思ってる内に課題を集めろとのお達しが、一番後ろの席はこれがめんどくさい。
「おぉ~い、ほら、課題だせよ」
目の前のバカはまだトリップしているらしく俺の声に気がつかない。
仕方ない、飛ばすか。
とりあえず、先生にはバッグの中に見つからないので後で持って行かせることだけを伝えた。
この日は、明日からの新入生テストの連絡だけをして終わった。
「うぉ~い、八広一緒に帰ろうぜ」
妄想からご帰還されたバカ、こと守川勝(もりかわしょう)はハイテンションボイスを存分に喚きながら走ってきた。
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