星は夜空を駆け巡る

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壁に寄りかからせていた背中を離し、木の枠で固定された窓を覗く。 とっぷりと日は暮れていて、月が見下ろすように下界を照らしている。 「あぁ、そろそろあいつが来る頃か。」 誰に言うでもなくつぶやくと部屋のドアを開ける。そこには腰に届くほど長いツインテールに、黒を基調とし、白の装飾を施したドレスを身に纏った少女が今にも壊れそうな雰囲気を覗かせている。 「2秒。遅刻だよ、きみ。」 驚くほど冷たく、感情の見えない声で遅刻を指摘する。そのまま無表情で部屋へと侵入する。 「悪かったな。ベッドからドアまでかなりかかるもんで。」 それほどにない距離を一瞥し、ドアを閉めながら微笑を浮かべる。 少女はベッドに腰を下ろし、床に届かない足をぶらぶらと揺らしている。それを凍るような目つきで一瞥し、口を開く。 「夜更けにこのような少女が訪ねてきたのに、何をしようという気はおきないようだね。」 少女はあらかじめ用意されていた台詞を喋っているかのように冷淡な口調で冗談を口にする。
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