出会い

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しかし、結局この日は、練習が終わるまで、いつもと同じように、先輩のサポートに明け暮れた。 ――1年を使う気なんて本当にあるのだろうか? 康祐は疑問を抱きながら、皆と別れ、駅へと向かう。 ホームへの階段を上がると、ベンチに見覚えのある女子が座っていた。 彼女は康祐に気づくと、立ちあがり、 「あ……お疲れ様」 と、声をかけた。 (ああ、マネージャーの……) 「どうも」 彼はとりあえず挨拶をし、自販機でスポーツドリンクを買うと、恵と同じベンチの端に腰を下ろす。 (マネージャーも、こんな時間まで練習に付き合うんだ) 練習中、彼女が何をしているのかは知らないが、女子がこんな時間までいる必要があるのか? 康祐は疑問に思いながら、到着した電車に乗り込み、頭はすぐに今日のシートノックに切り替わっていた。 次のチャンスはいつ訪れるのだろうか――? 試合に出たい。 せめて、練習に参加したい。 夏の甲子園を狙うチャンスは、たったの3回。 グズグズしている暇はないのだ。 窓にもたれ目を瞑っていた康祐が、何となく先程の女子を見ると、彼女はちょうど下車しようとしているところで、 チラッとこちらを見て、 「じゃあね」 と小さく手を振った。
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