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「よお、康祐。高校でも一緒に野球できるな」
久しぶりの学校で、教室に入るなり勢いよく肩に手を回すのは、靖司だ。
「ああ」
康祐は、彼の手を振り払い、トンと彼の胸を叩く。
昨日、南ヶ浦高校の合格発表があり、康祐を初め、上川中野球部の黄金時代と言われたナインのうち3人が、見事合格を果たした。
「つれないなー。
高校ではバッテリー組もうぜ。
木山なんて、退けてさ」
耳元で囁くには、大きすぎる声で、靖司は懲りずに康祐の肩を抱く。
「おいおい!
聞こえているよー」
窓際で、国中たち数人とふざけていた木山が靖司にコミックを投げつけた。
「お前らに、南ヶ浦に行く頭脳があったとはなー」
国中たちがはやし立てると、校内放送で卒業生は、廊下へ出て整列するようにとのアナウンスが流れた。
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