一度負けた男
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日が傾きかける午後の4時半、僕は村中の店をもう一度訪れた。 「今日で店じまいだ」 村中の低く磨り減った声が耳に残っている。 テントの中に入ると村中はカウンター席に座り酒を飲んでいた。 僕に気づいた村中はイスを進めてくれた。 厨房から持ってきたグラスになみなみとパックの日本酒を注ぐ。 「東京でフリーライターやってる関口と言います」 言い慣れたセリフで僕は名乗り名刺を渡した。
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