四月

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天馬は人が苦しんでいるところを見ているのがとても好きな極悪非道の男。 昔からの付き合いである平太や去年からの付き合いである甚平はいつも大変な目にあっている。 でもそれは二人のことを気に入っているからだ。 けど、この末埜に対してだけは軽くおちょくることはするが困らせることはしない。 詳しく説明するとしたら二人より扱いがいいと言うことだろう。 天馬がこれほどまでに扱いがいいのは平太の兄である黒夢達くらいだ――まだ数えるくらいしか付き合いがないのに。 天馬とは長い付き合いしかない平太にとってはそれが不思議で仕方なかった。 でもどうせ聞いても答えてくれないと思い詳しくは聞かない。 それにその前にやることがあったからだ。 「黒夢兄、今度は何をしているんだ?」 「見てわからない? 俺も宇宙に電波を送っている」 「黒夢兄の場合はただ単にボケたかっただけだろう」 「よくわかった。流石我が弟。褒美としてこのペロペロキャンディーをお前に進呈してやろう」 「別にいらないから早く教室を元に片付けろ」 「了解であります隊長。羽留花隊員、隊長命令で一緒に机を片付けるであります」 「くーむ片付けるならうーも片付ける」
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