四月

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「やりましたよ平太さん! 今年は私達(夫婦)は一緒のクラスになりましたよ!」 「何回も言うようだけど、俺達は別に夫婦でも何でもないから。ただの学校の友達だけだからな」 「そうは言いましても私達はもう同棲までしていますよ」 「それはお前が勝手に家へと押し掛けて来ただけだから」 天馬がいつもと変わりない黒い笑みを浮かべているとまた新しい声が聞こえて来る。 甚平と天馬の二人はあまり驚いた様子はなくなれた態度で後ろに振り返る。 そこにはかなり疲れきった態度をしている男と、その男の腕に抱きついている女性の姿があった。 「よっ六條夫妻、相変わらず朝からイチャイチャしていますな」 「中城、この状況を見てイチャイチャしているように見えるなら俺はお前を眼科へと行くことを薦める。それとついでだからこの馬鹿を脳外科に連れていってくれ」 「産婦人科の間違いではないですか?」 「侠、これ以上口を開いたら話がややこしくなるから少し黙っててくれ」
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