二年Ｅ組の日常

四月

このローテンションで的確なツッコミを入れている男は六條平太（ろくじょうへいた）。

この学校にいる《六條四兄弟》の三男坊で一番の常識人。

あくまで四兄弟の中では、一般生徒と比べれば彼も少なからず変人である。

何故なら――異常と呼べるほど普通にこだわろうとするところがあるからだ。

彼がそこまで普通にこだわろうとする理由は彼の家族が全員異常であるからだ。

彼の家族のことはまた後にでも説明するとしよう。

そして、彼の腕に抱きついている女性は神無月侠（かんなづききょう）。学年でも屈指の美少女であると同時に学年切っての変人。

今から二ヶ月ほど前から突如として平太の嫁と名乗り、その日にいきなり平太の家に乗り込んで同棲までしだした人間。

おかげで平太の平凡に生きてきた人生は音をあげて崩れ、沢山の男子生徒からは殺気を抱かれることになってしまった。

ついでに言っておくと、平太以外の家族の中ではすでに彼女は嫁と認定にされている。

平太も侠のことを追い出すことはせず彼女のことを居候と思いながら一緒に暮らしている。

ある意味作中で一番懐が大きいと言える男であろう。