四月

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「それより、俺達のクラスにはかなりの変わりもんが集まったのは気のせいか? 例えば《黒夢兄》とか《星崎》とか」 「確かにあの二人は変人中の変人だよな」 「お前が言える立場か」 去年、甚平は先ほど話に出てきた黒夢と一緒に停学処分を食らってまで沢山の面白いことをした。 甚平が内容を決め、黒夢が作戦を立てたりいるものを準備をし、二人で実行をするという具合で。 代表的なものをあげるとすれば《十一月十一日》に行われた運動場でのライブだろう。 当日は雨の日、二人は雨に打たれてびしょ濡れになりながらバンドをした。 しかも歌った黒夢がいつものふざけた行動からは想像できないくらい真剣に熱唱をしていた。 あれほど沢山の人が心を奪われたイベントはなかったであろう。 ただ、二人は代償として翌日風邪を引いてしまい三日ほど停学処分を食らってしまった。 その彼らと並んで変人と呼ばれるのは星崎羽留花(ほしざきうるか)。 自分のことを宇宙人だという電波系不思議ちゃん。 だけど容姿はそこそこ可愛いのであらゆる意味でとても残念な子。 しかし、世の中には物好きというものがいるもので彼女にはすでに彼氏というものがいる。 そのことはまた後にでも説明するとしよう。
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