四月

8/27
前へ
/75ページ
次へ
ボードに張り出されたクラス分けの紙を見てから、甚平達四人は自分達のクラスである二年E組へと向かっていく。 先ほども説明したと思うが、この二年E組には数多くの問題児が集められている。 例えば、 「いいよいいよ四人とも! かなりいい絵になっているよ!」 教室に入ったばかりの甚平達にいきなりカメラを向けて撮影してくる馬鹿とか。 いきなり甚平達をカメラで撮った人物の名前は写野唯雉(しゃのいち)。 この学校の新聞部に所属しているカメラっ子。 どのような時でも必ずカメラを持ち歩いており、スクープと見るなりところ構わず激写する。 実際、教室に入ってきたばかりである甚平達をその場から動けなくするくらい撮りまくっている。 「天馬、確かこいつを歯止め役の《新道》は隣の二年D組だったよな?」 「そうです」 「こいつとあいつはセットみたいなもんだろうが」 「私達夫婦みたいに」 「お前は少し黙ってろ」 平太は女性である侠に頭を容赦なく叩いた。 彼らはかれこれ二ヶ月ほどの付き合いがある。 流石に二ヶ月も毎日一緒にいたら遠慮というものがなくなり、今では女性である侠も平気で叩けるほどだ。 そして、平太に叩かれた侠は叩かれた後頭部を押さえながらDVと何回も連呼していた。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加