四月

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その後、侠は唯雉と写真の交渉(自分と平太が写っているものを譲ってもらう)をするため平太達とは離れた。 ……次に平太達の目に飛び込んできたものとは、教室の真ん中で置かれていた机を退けてその中心に立ち、両手を上へと上げている一組の男女だった。 明らかに異様。回りにいる生徒達は奇妙な目でその二人のことを見ていた。 けど一人だけ、他のものとは違う眼差しでその二人の近くに椅子を置いて座って儀式が終わるのを待っていた。 甚平はこの人物とは話したことはないがことの経緯を知るために思いきって話すことにした。 「版図(はんと)、お前の彼女の星崎と黒夢の奴は一体何してんだ?」 「あいつの話だとサークルを作ってるらしい」 「サークル?」 「この教室にエイリアスを侵入させないためのものらしい――可愛いだろ?」 版図と呼ばれる男は甚平に同意を求めるように問い掛ける。 彼の名は版図末埜(はんとすえの)、学年でも名が上がるほどの男前の眼鏡男子。 だけど性格が凄まじいもの。自分勝手の唯我独尊の気分屋。 彼の目的を遮るものがいるのならば容赦なく罠に貶める暴君。 天馬と共にこの学校を裏から支配しているものの一人として数多くのものから恐れられている。
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