友だちができまして…

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友だちができまして…

とんでもなく、頭が真っ白になってるあたしの名前は、春崎桜。 冬生まれなのに、名字に合ってるからという理由で名付けたる両親の適当さには、驚かされたる。 特別美人でもなければ 特別運動ができるわけでもない ただ… 勉学だけが、激しく苦手。 数学は、わり算で挫折。 国語は、古文で居眠り。 理解は、科学と化学の違い困惑。 社会は、いい国作ろう鎌倉幕府しか覚えられず… とにかく、授業のチャイムはあたしにとってさよならの合図。 さぼり続けた結果 「お前…進学せずに、働くんだよな?」 と、担任に進路を決めつけられていたあたし。 んがしかしっ!? この不景気の中、あたしのようなバカたれを雇ってくれるところがあるはずもなく、ニート街道まっしぐらにを両親が許してくれるはずもなく… 色んな教科の先生に泣きついて、体重が10キロも落ちて、やっとの思いで入学した 清水高等学校。 万々歳!! この先の不安なんて一層されて、バラ色の未来があたしを待ってると思ったのに… 「この授業では、人間を磨き、礼儀を学び、そして、将来の伴侶を見つけます。卒業式には、相手と一生を添い遂げると誓うのです」 …はぁ?! 「勿論相手が見つからなければ、単位は取れません。この授業の単位を落とすということは …卒業、できません」 とてもふくよかで、笑顔の柔らかいおばちゃん先生の目だけは 笑っていなかった。 「世間も婚活ブームです。 皆さん、自分を磨いて、早いうちに相手を見つけること、又、早いうちに自分を売り込むこと ちなみに、毎年この授業を落とす生徒は3割は確実にいますからね。 一緒に頑張りましょうね」 … 死?!?!?!
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