君との出会いは、

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 俺は、いつもと  同じ席に座った。  窓側の後ろから  二番目の席。  此処が俺の特等席だ。  侑李は、俺の隣に  座って微笑んだ。  『いつも此処にいるの?』  『嗚呼、いるよ』  図書室は、落ち着くから  学校で一番好きな場所だ。  だから、俺はいつも  此処に来ている。  それに‥学校での  本当の居場所は、  俺には、此処しか  存在しないんだ。  『僕も此処に来ていい?』  侑李は、小さく首を傾げ  俺に尋ねた。  『‥いいよ』  誰もいない図書室が  俺は、好きだった。  誰もいないほうが  落ち着くから。  だけど、侑李なら  別にいいと思えた。  何故かは、俺自身も  よく分からない。  でも、俺の中で  侑李が特別な存在に  なっていたのは確かで。  この時から、俺たちの  時計は動き出したんだ。  
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