高校生として

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(野球か‥‥) 流石にアルバイト初日は慌ただしく、仕事中は店長の言葉も忘れてしまう程に必死に働いていた義彦だったが、帰り道はその話で頭の中が一杯になっていた。 中学生の頃は毎日白球を追いかけていた。 選手としての自信もあった。 高校に進学したら、レギュラーになり自分がチームを引っ張って行く。 甲子園を目指し真っ直ぐに進んで行く自分を夢見ていた。 しかし現実は違った。 東華市場学園野球部は義彦が入学する前年までは、強豪と呼ばれるには程遠い実績と実力しかないチームだった。 義彦が東華を選んだのも、ここなら自分がチームの柱になれるかも知れないという思いからだった。 そんな思いが一蹴されたのは、合格発表の日だった。  
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