マネージャーとして

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数日後、月末には帰って来ると言い残して御台は大学寮に引っ越して行った。 義彦は自宅から通える大学への進学が決まっていたので、特に普段の生活が変わるわけでなく、御台の朝練に付き合う事もなくなった今は退屈を持て余すようになっていた。 ただ、早起きと朝練がすっかり身についてしまったので、目覚まし時計がなくても朝の5時には目が覚めてしまうようになっていた。 そんなある日、義彦は目覚めると、多少の迷いはあるものの、ユニフォームにウインドブレーカーを羽織り、学校へと向かった。 ジャージにしようかとも考えたが、慣れ親しんだ野球部のユニフォームは、自分の高校生活そのものであり、あと数日で着ることもなくなるのが妙に寂しく感じた事がそれに手を伸ばさせていた。 義彦の自宅から学校までは自転車で約30分、その通学路を通るのもあと僅かとなっていた。  
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