私.premier

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「前回はここで失敗したからな……。よし、カプセルの冷却装置を停止させろ。緊急停止装置もスタンバイだ」 2か月ほど前の自己冷却装置が作動しなかった件を思い浮かべ、苦い顔をしながら室長のローガン・アイザフは指示を飛ばす。 白衣を着ている研究員が多い中、彼は灰色のスーツを着ていた。 強面で頬が浮き出た顔に、茶髪を短く刈った出で立ち。科学者というよりは建設作業員、といった職業の方が似合っているように思える。 「カプセル、液体窒素、および回路緊急閉鎖の準備整いました」 ローガンに振り向きながら周辺保存機器主任のブライアン・イリノアが答える。
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