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「高負荷テスト、いくわよ」
フレンダがそういうと、私が立っている場所の床がゆっくりと後ろに流れ始める。
要するに、ルームランナーだ。
そしてどんどん加速していき、目の前に浮かぶ半透明の水色の文字はあっという間に時速180kmを示していた。
これくらいならまだ余裕。体内の冷却液の流速を上げ、各部のアクチュエーターを動かす。
「はっはっはっ―」
浅く息を吐き出すとともに、過剰な水分が呼気とともに吐き出され、肌にも湿り気を帯びてくる。
1時間は走り続けた。後ろでポニーテールにしていた髪はうなじや首に張り付き、支給された運動服にも水分が染みていて不快だった。
汗ではないわよ?
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