目覚め.premier

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全身が固定されていることにさらに顔をしかめながら、正面しか見ることができない部屋を眺めた。 「ここ……どこ?」 首筋に刺さるケーブルに不快感を覚えながら、私は声を出す。 か細い、鈴のような高い声。 それが私の声だった。 「もしもし、初めまして。この声が聞こえるかな?」 少しおどけた野太い声に怯えながらもプリインストールされた言語マニュアルを無意識下で参照し、小さくうなずく。
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