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いつものように私は縁側で読書をしていました。
「なぁ光子…」
「何?」
目線は本の方へ向け返事した。
「…家族より本の方が大事か?」
「別に」
沈黙が続く。
「娘が死んだとき泣かなかったな。悲しくないのか?」
「悲しいよ」
「…本ばっかり呼んでて自分の娘がいじめられてるの気づかなかったんじゃないのか?」
「……」
「…俺ら別れないか?」
私は本を読む手を止めた。
「俺さ…もう無理なんだよ…。本が好きなのはわかるけどさ…感情をなかなか出さないだろ?気持ち悪いんだよ…人形みたいで…」
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