巡り会う二人

再会

｢どうしたんだよ､夕夜さん？｣

椿季と話していた
千明がいきなり
注目させた人物
夕夜に問うと
夕夜は時計を
ﾁﾗﾘと見た後

｢本当はもうちょっと
皆で飲みたいんだが
明日､月曜だろ？
だから､今日は
もう解散したいと
思いまーす｣

'解散解散ー'と言う
夕夜に千明は
'えー！もうっすか？
早いっすよー'と
拗ねたように言うので
夕夜は千明に近寄り
肩に腕をまわすと

｢なら､千明｡お前だけ
ここで飲んでろや｣

傍からみたら
優しい笑み
でもきっと千明から
見たら黒い笑みに
違いないと思いつつ
私は帰りの支度を
始めた｡するとそれに
気づいた皆も
渋々だが帰り支度を始めた

｢瀬李先輩､もう
遅いですし送りますよ｣

そんな中一番早く
帰り支度を
終わらせた海斗が
瀬李に近寄ってきて
'さぁ､帰りましょう'と
私に､にこやかに笑ってきた

｢え？でも､悪いよ｣

｢送ってもらいなよ
瀬李ちゃん｡
杏里ちゃんは
俺が送って帰るから｣

'だから気にしないで'と
言おうとしたら
杏里を引き連れて
やって来た夕夜に
言われて周りを見ると
皆､送ってもらうらしく
真白は椿季に
美奈は千明に
そして杏里は夕夜に
と言う事で断れないので

｢…じゃあ､よろしく｣

｢任せて下さい！

では､帰りましょうか｣

'よろしく'と私が
言うと海斗は
嬉しそうな顔をして
帰ろうと私を
急かしながら
歩いて行く
その時に､海斗=犬だと
私は密かに思ってしまった。