悲しみの空

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カチャッ・・・ 莉乃ちゃんらしい! あたしのこの部屋の、第一印象がこれだった。 白を基調とした部屋は、女の子らしいっていうよりかは、お洒落で大人っぽかった。 白が似合う莉乃ちゃんにはぴったりの部屋だった。 『あんまり、じっくり見られるとちょっと恥ずかしいんだけど。』 いつの間に後ろにいたのか、莉乃ちゃんがトレーにお茶のグラスと念願の苺アイスを乗せて立っていた。 『やったぁ!苺!』 喜びの声を挙げるあたしに、莉乃ちゃんは『風花お嬢様、苺アイスでございます。』って深々とお辞儀をして部屋の中央にあるガラスのテーブルの上に苺アイスを置く。 『ばあや。ありがとう!早速、頂くわ。』 あたしも莉乃ちゃんのお芝居に付き合って返事をする。
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