悲しみの空

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『ちょっ、おーい、風花!聞いてる?』 『あっ!ゴメン、ゴメン。聞こえてるよ。』 あたしは、慌てて莉乃ちゃんに答えると、だいぶ溶けてきた苺アイスを急いで食べる。 莉乃ちゃんの溶けきったアイス が、視界の隅で悲しく映った。 『それにしても風花!補習よく頑張ったね!あの山のようなプリントの束、終わったの?』 『うん!モチロン!』 あたしは得意気に持ってたスプーンを莉乃ちゃんにズイッとつき出す。 『おっ!すごい!これで次のテストは、バッチリだね!』 『うっ!それは言わないで!!』 あたしはため息と一緒に莉乃ちゃんの真似をして、ゴロンと床に転がる。
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