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『風花には、いつか話そうって思ってたんだけど、ごめんね。ちょっといろいろあって・・・』
そう言うと莉乃ちゃんは、さっき枕の下に隠したあの写真をあたしの瞳の前に差し出した。
三人で楽しそうに笑っている写真・・・見たくないはずなのに、あたしは瞳をそらすことができない。
右手を出してそっと莉乃ちゃんから写真を受け取る。
あっ・・・何だか泣きそうになってきた。
あたしは顔が上げられなくなって、必死に写真を見つめながら涙をこらえる。
『風花?』
下を向いたまま、動かなくなったあたしを心配そうに莉乃ちゃんが呼ぶ。
『ん!?莉乃ちゃん好きな人いたんだね!』
あたし、ちゃんと笑えてるかな?
勢いよく顔を上げたあたしは、今できる精一杯の笑顔を莉乃ちゃんに向けた。
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