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『うん。あいつのこと実はずっと好きなんだ。幼なじみだから、気がついたらずっと一緒にいたし。あっ!高校もうちらと同じなんだよ!でも七組だからあんまり逢わないし、風花は知らないだろうけど。』
知ってるよ!・・・あたし知ってるよ、莉乃ちゃん!
言えない言葉を思いっきり飲み込んで、あたしは莉乃ちゃんに嘘をつく。
『うん、知らない。七組の人なんて誰も知らないよ。』
『そうだよね!あっ!彼の名前ね、春って言うの!神埼春!』
莉乃ちゃんが少し頬を赤らめながら、興奮ぎみに
あたしの右手にある写真を指さす。
莉乃ちゃんの人差し指に指し示された人物が、あたしに向かって笑いかけてるみたい。
嫌だ・・・こんなの何か嫌だ・・・あたしは彼のこと何にも知らなかった。
嫌だ!嫌だ!嫌だ!
こんな感情を持つ、あたしも嫌だ!
あたし、今、莉乃ちゃんに嫉妬してる・・・?
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