悲しみの空

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『風花!?風花!!』 あっ・・・莉乃ちゃんがあたしを呼んでる? 『風花!!大丈夫?ねぇ風花?泣いてるよ。』 気がつくと、あたしの両手を握りしめた莉乃ちゃんが、心配そうにあたしの瞳をのぞきこんでいた。 あぁーあたし今、泣いてるんだ・・・ 莉乃ちゃんに言われるまで、自分でも気が付かなかった。 そんなあたしに、莉乃ちゃんはティッシュを手渡しながら、話しをきりだす。 『ねぇ、風花。もしかして風花は、春のお兄さんのこと知ってるの?』 莉乃ちゃんの真剣な瞳とあたしの不安定な瞳がぶつかる。 それだけで、勘がいい莉乃ちゃんは何かに気がついたらしく、納得した表情であたしを見つめた。 『そっか・・・蒼は先生してたなぁ。中学の先生。風花はそこの生徒だったんだね。』 大きく深く息を吐き出した莉乃ちゃんは、その場で後ろにバタンって倒れた。 その姿をボッーと眺めながら、あたしにはもう何の感情も生まれてはこなかった。
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