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『風花!?大丈夫?辞めようか?』
倒れこんだあたしの瞳の前は真っ暗な暗闇で、莉乃ちゃんの慌てた声だけが聞こえてきた。
『あっ・・・』
聞くのを辞めてしまおうかという考えが一瞬、頭をよぎる。
けど、けど・・・聞かなきゃ!あたしは知らなきゃいけない!先生のことちゃんと知りたい!
ガバッと起き上がると、あたしは莉乃ちゃんの瞳を見つめる。
それだけで莉乃ちゃんは理解してくれたみたいで『わかった。』って言うと、ガラスのテーブルの上のお茶を一口そっと飲んだ。
あたしも目の前の自分のお茶を眺める。
グラスの中の氷は全て溶けてしまっていて、お茶の上に水の層が出きていた。
『それでね、えっと・・・』
再開された莉乃ちゃんの話しに、あたしは静かに耳をかたむける。
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