chapter1

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…†……†……†……†……†… 入学してから3日が過ぎた。 私は今、イメージの“人嫌い”を見事に発揮している。 入学式当日はまわりの様子を伺うばかりだった女子は、翌日から次々と気に入った者同士で話しはじめ、あっという間にクラスのグループは構成されていった。 1人の人間を可哀想だと思ったのか、グループに誘ってくる子もいたけれど、曖昧な返事をしているうちに、もう来なくなった。 男子は男子で特に分裂するわけでもなく、自由を楽しんでいるように見えた。 それでいい。 私はここで見ているだけで十分だ。 チャイムの音が始業を知らせる。 それとほぼ同時に担任が教室へ入ってきた。 「きりーつ、れーい」 新入生らしいハキハキした声で号令がかけられる。 教壇の上から全員の顔を見るように教室内を見回すと、担任が口を開いた。 .
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