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「あかん、ねっむ…」
AM 6:00
傷みかけた茶髪を
今風の青年が掻き上げる
「おや、起きてたの?」
その声で
青年は現実を思い出しては
「あー…、見て分かるやろ?」
乱れたベッドの上で
面倒臭そうに、溜め息。
「朝は苦手かい?珈琲をいれたから、こっちにおいで。」
風呂上がりだろうか
ガウンを着た
いかにも富裕層の男が
テーブルの傍らに手招きをする
乱れた白波の上には
上体を起こした青年
肌には男がつけたであろう
真新しい、所有印
彼は二度目の溜め息を溢し
再びベッドに潜り込んだ
顔だけ覗かせて
男を気怠そうに見つめる
「おやおや、姫様はご機嫌ななめサンかな?」
優しく余裕のある笑みは
少しずつ、近づいてくる
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