蓮の花は

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「よしよし、まだ眠いのなら休んで行くといいよ」 珈琲の薫りが 鼻腔を、擽る 「や、ええわ。貰うモンももろたし」 僕はこう見えて 珈琲がキライや ガキや言われるのんも もう、慣れた 「ふふ、君はお金に困ってるようには見えないんだけどねえ…」 男が腰を落とし 白波が沈む 近づくのは 矯正な顔立ちと 苦い、薫り 「わ、ちょっと…」 肩まで伸ばされた 綺麗な、藍色 「キスだけ、だから。ほら、口を開けてごらん」 生温かい朱色の熱が 唇を促す 「ん、ン…」 快楽には弱い 「…‥いいこ。」 白波に茶髪が散る 男の身体が重なり 青年の身体を覆う 快楽に弱いのは 人間の、性。
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