第一章 -旅立ち-

7/20
前へ
/358ページ
次へ
─翌朝─ 「んんっ!」 ロディは体を伸ばしベッドから出る。 カーテンを開けると朝日が目に刺さった。 さんさんと照りつける太陽は今日も変わらない。 「今日もいい天気だ」 ロディはこんな日がずっと続くと思っていた。 そんな矢先… 「きゃぁぁぁ!!」 突然の悲鳴が平穏を切り裂いた。 「…な、なんだ今の?」 ロディは慌てて外に出る。 するとそこには見た事のない位、大きな獣が猛威を振るっていた。 体長4メートル位はあるだろうか。 狼男の様なそれは、闇雲に家を破壊していく。 「グガァァァァ!!」 地鳴りのようなその雄叫びは、ロディの恐怖心を一気にかき立てた。 「はぁ、はぁ…ロディ大丈夫か!」 息を切らしながら村長が駆け寄ってきた。 「じいちゃん!ゲートキーパーは?」 ゲートキーパーとは、特別な力で村に結界を張り巡らし、モンスターの侵入を防ぐ人の事である。 「それがな…ヤツはこの辺のモンスターじゃない。ヤツの力に対抗出来るゲートキーパーはこの村にはいないのだ」 「そんな…」 絶望で目の前が真っ暗になった。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

371人が本棚に入れています
本棚に追加