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ふとロディは我に返ると、ある決意を村長に伝えた。
「…じいちゃんどうすればいい?僕がヤツをどうにかする」
村長はロディの予想だにしない言葉に驚きを隠せない様だ。
「何…?そうか…やはりお前は…」
しかし、すぐに村長の表情が鋭くなり、声をこもらせる。
ロディの目に村長の姿は、何かを隠しているという、そんな風に映っていた。
「ガァァ!!」
その間も獣は、丸太の様に太い腕で建物をなぎ倒し、人々に襲いかかる。
幸いケガ人は出ていないらしい。
しかし、壊されていく我が家を見つめながら泣き崩れる者。
抵抗する事など出来ずに逃げ惑う者。
神にすがり祈り続ける者。
そんな悲惨な状況を目にし、ロディの心には怒りと不甲斐なさが入り混じっていく。
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