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「ねぇ、じいちゃん!」
ロディはいても立ってもいられず、村長をあおる様にして呼びかけた。
村長はその熱意に答える様にロディを見つめて言葉を返した。
「ふぅむ…これを使いなさい」
村長は、何かが入った古い革の袋をロディに差し出す。
手にすると、金属なのかズシリとした手応えを感じた。
「…?これは?」
「開けてみなさい」
ロディは言われるがままに中を開けると、そこには銀色を呈し、見た事のない装飾が施された銃が入っていた。
使われた形跡はなく、真新しい印象を受ける。
「それは、お前が小さい頃肌身離さず持っていた物だ。今なら扱えるだろう」
「…どういう事?」
ロディには、村長の言葉の意味が理解できなかった。
「…話は後だ。お前は一人前の男になった。思い切り戦うがいい」
「…はい!」
ロディは、心にモヤモヤを抱えたまま、平和を崩した元凶の元へと駆けて行った。
村長は、その後ろ姿を食い入る様に、そして祈る様に見つめていた。
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