第一章 -旅立ち-

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「ねぇ、じいちゃん!」 ロディはいても立ってもいられず、村長をあおる様にして呼びかけた。 村長はその熱意に答える様にロディを見つめて言葉を返した。 「ふぅむ…これを使いなさい」 村長は、何かが入った古い革の袋をロディに差し出す。 手にすると、金属なのかズシリとした手応えを感じた。 「…?これは?」 「開けてみなさい」 ロディは言われるがままに中を開けると、そこには銀色を呈し、見た事のない装飾が施された銃が入っていた。 使われた形跡はなく、真新しい印象を受ける。 「それは、お前が小さい頃肌身離さず持っていた物だ。今なら扱えるだろう」 「…どういう事?」 ロディには、村長の言葉の意味が理解できなかった。 「…話は後だ。お前は一人前の男になった。思い切り戦うがいい」 「…はい!」 ロディは、心にモヤモヤを抱えたまま、平和を崩した元凶の元へと駆けて行った。 村長は、その後ろ姿を食い入る様に、そして祈る様に見つめていた。
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