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獣はロディに気付いたらしく、鋭い眼光を放つ。
「グォォォォッ!」
近くにあった樽や木箱を蹴散らし吠えると、ロディに標的を絞って襲いかかってきた。
鋭い爪を掲げ、ロディに向かって一気に振り下ろす。
「…うわっ!」
ロディはそれをギリギリまで引き付けると、寸での所で後ろに飛び退き回避した。
大地にぶつけられた力によって、凄まじい音と共に砂埃が舞う。
砂埃が徐々に晴れていき、獣が爪を振り下ろした後の大地を見ると大きくえぐられている。
爪の数だけ溝が形成されていた。
獣はそのまま地面に手を付いた状態で停止している。
「…こんなの喰らったらひとたまりもない…!」
地面に形成された爪痕を見たロディは、自分と敵の遥かなる力の差を感じ、恐怖で足がすくむ。
「…でも、僕がやらなきゃ…やるしかないんだ!!」
ロディはそう自分に言い聞かせる様に叫ぶと、使い方も知らない銃を構える。
その間に体制を整えた獣は、再び爪を掲げた。
腕を伸ばしきるとその反動と重力を利用して、爪を容赦なくロディに叩きつける。
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