371人が本棚に入れています
本棚に追加
村人達は、残された家の修繕に追われ、あっという間に日が暮れていった。
日が沈み、辺りがオレンジ色に染まる頃、村長は村の男達を自宅に集め会合を開いていた。
内容は勿論
「村長、今朝の獣…あれはまさか…」
一人の男が、思い当たる節があるかの様な口調で沈黙を切り裂いた。
それに対し村長は、なにやら神妙な面持ちで言葉を返す。
「…あぁそうだ。あれはかつてシンフォニアを襲ったとされる魔狼。バーサーカーウルフだ…」
バーサーカーウルフという単語が出た途端、周りの男達はざわめきだした。
一人の男が話を続ける。
「やはり…しかしなぜこんな所に?」
「わからん。が、この世界に何かが起きているのは確かだろう。もしかすると、誰かが送り込んできたのかもしれん」
その言葉に耳を疑う男達。
「そんなまさか…だとしたら目的は一体…それにロディのあの銃は?」
「送り込んで来たというのはあくまで推測だ。こんな小さな村を潰して何になる?一銭にもならないだろう。ロディが使った銃の事だが、あれはおそらく…」
村長はうつむきながら質問に答える。
しかし、途中で誰かの足音に気付き、会話を止めてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!