第一章 -旅立ち-

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ここは農業で生計を立てながら、貧しいながらも平和に暮らす親子の家。 「…ディ…ロディ」 「ん…?」 「ロディ!!いい加減早く起きなさいっ!!」 「…!!うわぁっっ!!」 ロディと呼ばれた青い髪と瞳が印象的な少年は、びっくりして床に落ちてしまった。 ドサッと言う定番の音を立てて。 「いつつ…なんだよ母さん?」 ロディは打ちつけた腰を押さえ、眠気眼をこすりながら顔を上げた。 「なんだよ?じゃないでしょ!」 茶色の背中まで伸びる髪を乱し、同色の瞳を吊り上げながら、母と呼ばれた女性が怒鳴り声を上げている。 「今日が何の日か忘れたの?」 「えっ?…あ゙っ。そーいえば…」 今日はロディの16歳の誕生日。 ここキース村のしきたりで、男が16歳になる日の朝、体に刻印を刻む。 その痛みに耐えた男だけが、一人前として認められるらしい。 実に古く、意味のわからないしきたりだ。 「さぁ、広場で村長が待ってるわよ!さっさと行きなさい!」 「はーい、行ってきまーす!」 母に背中をポンと押され、ロディは急いで家を飛び出した。 それにしてもあの夢はなんだったのだろうか。 自分と同じ姿をしたロイドという少年は、一体誰なのだろうか。 そんな事を考えながら、ロディは広場に向かった。
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