第一章 -旅立ち-

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最後に村長は、灰色の特殊な墨を擦り込んだ。 「よし、終わりだ。よく耐えたなロディ」 ふぅっと一息ついた村長に笑顔が浮かんだ。 「…全然平気だったよ!なーんだこんなもんか!」 肩に痛みはまだ残っているが少し強がってみる。 血が伝う肩を見ると、先ほどの光景が脳にハッキリと蘇る。 「そうか。お前はこれで一人前だ。村に恥じない大人になりなさい」 「…はい!ありがとうございました!」 ロディは、大人になる責任の重さを少し感じていた。 村長に会釈をし、家へ向かう。 帰る途中、ロディは出会った少年に肩を指差し刻印を自慢していた。 「見てくれ!もう僕は大人なんだ!」 ロディの言葉に反発する様に少年が返す。 「なんだよー!ぼくだって5年後には大人になるんだ!」 16歳と11歳。 たわいもない会話を繰り広げながら、ロディは帰宅した。 家の前では母が心配そうな顔をして立っていた。 「ロディおかえり」 「ただいま母さん」 母はロディの顔を穴が開く位見つめると、微笑みながら口を開いた。 「ふふっ。どことなく大人びた顔つきになったわね」 「そ、そうかな…」 そう言われてロディは少し照れる。 照れ隠しの為か、後頭部をかゆくもないのにかき始めた。 それからの時間は、いつもと同じ様に家事を手伝い、昼食、夕食と済ませ、何事もなく一日が過ぎていった。 11時過ぎ位だろうか? ロディはベッドに入り、何も考える事なく眠りについてしまった。
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