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熱く、鋭い痛みが僕の頬を走った。
「どうだ?痛いか??」
男は僕の頬を叩いたのだ。
痛みから、顔が歪む。
瞳には涙がたまっている。
「痛いなら叫べ!泣け!!辛いなら笑え!もう二度と死ぬなんて口にするな!!」
男は泣いていた。
泣きたいのはこっちなのに……。
そっと男は僕の頬に触れてきた。
「ごねんな。思いっきり殴ったから痛かっただろ…ハハ。」
笑い事じゃないような気がするんだけど、自分の口元が緩んでいるのが分かった。
『笑顔』
この二文字を知ったのは今日、5歳の誕生日だ。
それは覚えが遅いのかな?
それでも今はこの時に浸りたい。
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