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村からは歩けば半刻の距離。
名もない森の中で、僕は背中に冷たい汗をかいていた。
手には熱い汗、
口は乾いていた。
僕は今、危機的状況を迎えている。
『熊に出会ったら、視線をそらさずに、ゆっくり後退するんだ』
そう言えば、そんなことを道具屋の隣に住んでいるマリアおばあさんが言ってたな…。
マリアと言えば、この世界ではありふれた名前で、
僕の父方の祖母もマリアで、よく僕が無茶しないか心配してくれて…。
「グルルゥ」
いやいや、そんな現実逃避をしている時ではなかった。
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