序章

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-食堂-   ざわざわ‥ 何人かテレビの前で話し合っている。 モニターにはプラントのニュース番組が流れている。 『おばちゃん、濃いめのコーヒーちょうだい。あと、カツ丼と…。』 『はいよ。しかし、よく食べるねぇこんな時に』 苦笑いの彼女は食堂のおばちゃん。我が艦の偉大なる母だ。 『なに、こんな時だからさ。次はいつメシにありつけるやら。』 『違いないねぇ。しっかり護って頂戴よ?』 大きな声で笑いながら、調理場に引っ込んでいくおばちゃん。 ここはいい意味で軍の艦らしくない。おばちゃんだって、軍艦に乗っている以上、軍属なんだが、そんな感じはしない。 町の食堂の店員さんそのものだ。 コレは、ザフトだからか、はたまたウチの鑑が特別なのか。 (ザフトには階級制がない。隊長や艦長、一部エリートを除けば、みんな一緒の緑服)   『はいよ、お待ち!』 『おっ、あんがとねっ。』 コーヒーとカツ丼の乗ったトレイを持ち、適当なせきをさがす。 むむっ、見慣れた人影を発見。 『よう、ヘクター。お前も飯か?』 『ん?おおロイド。大変なことになったな。』
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