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南雲「いーえ?それはあくまで飾りです。わたしがそんなチンケなもので拘束して手の内をペラペラと言っちゃうお馬鹿さんだとでも?」
南雲はケラケラと笑いながらスカーに近づく
スカーは立ち上がりブチブチと縄を外していく
スカーと南雲が相まって
スカーの顔は鬼のような形相になり
はたまた南雲はピエロのようにただただ笑っている
スカー「フェイルエルの仇…お前も頭と胴繋がっていられると思うなよ」
南雲はニヤニヤするばかりで動じていない
スカーは腕を振り上げようとした
だが出来なかった
スカー「なん…だと?」
南雲「ぎゃははは!やっと効いてきましたか!タフな身体のようですが…効いてないのかと内心ヒヤヒヤしてなかなかのスリリングな気分を味わいましたよ」
スカーはその場にうずくまってしまう
スカー「ぐふ…どういうことだ」
南雲「なーに簡単なことですよ。実験猛獣などに使うこの液体を縄に染み込ませただけです」
淡々と南雲は話し続ける
「これはヒビワリクレハ草から摂取できる治療薬ですが…摂取量摂取濃度を間違うと身体は痺れ・吐き気・記憶障害などを引き起こします」
さらに淡々と話し続ける
「簡単なことだと申し上げたはずです…実験に使う際の五倍にしただけであります」
五倍と聞いてもあまりピンとこないかもしれないがこれは体長30メートルの巨大生物がこの通常の五倍の薬品を投入して3日間もがき苦しみ最後には死んでしまった量なのである
それを平気な…むしろ子供のようにハシャぎ狂いながら話す南雲の精神状態は異常である
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