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ピチャン
ピチャン
あれから1日はたっただろうか
薄暗い牢屋の片隅でスカーは全身の痺れと悲しみと絶望と戦っていた
スカー「我が人生もこれまでということか…幼少の頃の夢であった大将軍になり、憧れていたボルド郷の指揮の元戦友達と戦場を駆け回った日々…そしておれの最期は謀反の容疑で国最大の汚名を浴びせられあの大広場で生涯を終えるのか。」
スカーは笑った
「ははは!なんて最高な人生なのだろう!このような体験したくとも誰にもできぬわ!あっはっは!」
そのとき牢屋の戸がキィーという音をたてて開いた
スカー「あっはっは!看守殿がおれを笑いにきたのかね?死ぬ間際にトチ狂ったと勘違いしたのかね」
?「…スカーあなたらしいわね」
スカー「…!?死ぬ寸前まで驚き尽くしだな」
牢屋に入ってきたのは
スカー「蘭姫…」
蘭「久しいわねスカー。最期に会ったのはそう…わたくしの告白を見事に蹴ったとき以来ね」
スカー「そんなこともありましたなぁ…しかしおれは生涯戦人。結婚して最前線にでれなくなるのは恋路より大きことゆえ断り申したまで」
蘭「ふふ…そうであったな。姫であるわたくしと戦を天秤にかけるなど古今東西きいたこともない話じゃ。と…昔話はこれくらいにして」
スカー「こんなときに昔話以外に何を話そうと?」
蘭「…スカーよ。逃げてはくれぬか?」
スカー「ぶわっはっは。ここまで汚名を浴びせられさらに汚名を浴びろと?」
蘭「いや…いつになるかわからぬがわたくしが必ずそなたの潔白を証明してみせるゆえ…」
スカー「別にいいんだよそんなこと」
蘭「え?」
スカー「おれが消えても運命の輪は回り続けるんだ。世界は統一され平和になる。後にお前も結婚して子供ができてまたその子供が結婚して…見れないのが残念だが」
蘭「スカー…わたしはあなた…生きて欲しいのよ」
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